父母の介護で経験した ちょっと驚くべき事件について。今後、介護を受けるご家族の方や、同じようにお悩みの方に向けて記録として残しておきたいと思います。
家族が介護状態になると、介護業者さんには大変お世話になります。私たちの力では足りない部分は多数あり、心より感謝したく思います。しかしながら やはり人と人との事です。被介護者に優しい業者さんもいれば、金銭的に儲かるからという理由で参入してくる業者さんも勿論います。
私たちが介護を受けるうえで、最初にどの様な介護業者さんと出会うかは 残念ながら運のようなものです。だいたいが現状では、介護業者を選ぶ術は私たち介護を受ける側には無いことが多いと思われます。お金を払う側が全く業者を選べないということは、あまり他の業種では見かけないことかもしれません。
介護業者を選ぶ場合、大概は地域包括支援センターや病院から紹介された業者さんになることが多いのではないでしょうか?自分で介護業者さんを選ぶといっても、まず伝手がなければ無理ですし、紹介されたところと契約するのは当然の流れかと思います。
ただ、この時に良い業者さんと出会えるかが分からない所が辛いところ。そしてその業者さんが良い業者さんなのか?業者さんの行動が当然の事なのか?とんでもないことをしているのか?その判断材料として、私が見聞きした、そして経験した「良くない介護業者さん」はこんな所でした。
困った介護業者1.病院と連携している
病院と連携している介護業者さんだからといって、良いとは限りません。病院と連携しているからこそ、介護を受けるご家族さんに対して「断られる筈はないだろう」と上から目線の事もあります。
私が経験した業者さんでは、退院前に病院のリハビリの先生と一緒に自宅に訪れ、退院後の介護業者として契約準備をどんどんと進められてしまった事があります。とはいえ、それはそれでスムーズに退院後の生活を送れるのですから問題はありません。問題はその時の対応でした。
室内に必要な介護用具は、家族である私に説明なしにリハビリの先生と次々決めていく。私が「それは何ですか?」と聞いても 私の質問には興味を示さず「うるさいな。黙っておけ」とばかりに ほぼ説明せずに介護福祉用具を注文していく。
また、退院後に食事に困るだろうとお弁当の注文を勧められましたが(それはそれで良いのですが)私の家族は透析をしていたので「透析食」を希望すると「いや、そんなのいいですよ。普通食で」と。普通食の注文にされてしまう。利用者の健康は二の次、利用者家族に説明する気もない、とんでもない介護業者でした。
福祉用具の会社の営業の方は、その間、私に許可を得ることもなく家の中を写真を撮りまくっている。福祉用具を置くための検討材料なのだと思うが、全く断りもなく部屋の扉を開けてどんどんと写真を撮るさまには、閉口してしまいました。
すぐに地域包括センターに連絡をすると「絶対にその業者と契約はしてはいけない。契約したらその後は、もっと面倒になる。まだ正式に決まってないうちに断った方がいい」とアドバイスを受けました。地域包括支援センターの担当者さんには、その介護業者とケアマネさんの名前を聞かれました。
困った介護業者2.友達感覚過ぎる
上記の業者の次に来た介護業者の話です。ケアマネさんが家を訪れる頻度は、被介護者の介護区分によって決まっているのですが、なんせ自宅訪問の回数が必要頻度より少ない。おかしいな?と思い確認をすると「先日デイサービスでお会いしたから、それで良いんです」とのこと。
念のため行政に確認をすると「家での生活が危なくないように自宅へ行くことが大切なので、デイサービスの事業所で被介護者さんとお会いしてもダメです。それは違反となります。どちらの介護業者ですか?名前を教えてください」と言われました。
話が少し逸れますが、そのケアマネさんは、80才になる私の家族が大腿骨を骨折し介護状態になった後、今度は手を骨折し三角巾をまいた姿を見て「え..なんか悪いけど笑っちゃう」とのたまわりました。家族としてはそのケアマネさんの言葉に絶句しました。もうヨレヨレの高齢者とその家族に向かって言う言葉ではないです。人間性を疑います。
もしかしたら私たち家族に親しみを持って、つい出た言葉なのかもしれませんが、ケアマネさんとして利用者さんに行ってはいけない対応と思います。
困った介護事業者3.利用者家族に相談しない
これは私の経験ではなく私の近所の方の経験談です。もともと障害をお子さんのころからもっていらしたご高齢の方は、あまりお話が出来なかったようです。ご高齢の妹さんが介護をされていたのですが、ケアマネさんはその妹さんに尋ねることもなく、勝手にお兄さんの散髪の申し込みをしたそうです。
妹さん曰く「どんどん勝手にケアマネさんが決めてきて、利用料払わされて。。もう食い物になってるわ」とのこと。どのようなお気持ちでケアマネさんが散髪に連れて行ったのか分かりませんが、家族に一言確認を取るべきであるのは、社会通念上 当然の事なのではないかと思います。利用者家族に「食い物にされている」と思われてしまっている事自体、対応に失敗していると思います。
困った介護事業者4.一人暮らしのお年寄りの意見を聞かない
これも私の近所の方の経験談です。一人暮らしのご高齢の方の家の福祉用具に関して。
利用者さんが「いらない」と言っても「使ってみて」と福祉用具の会社の方が多数の福祉用具を置いていく。その方は私に「使いづらくて仕方がない」「こんなの家で使ったらマンション階下の家に迷惑がかかるから、使えないって言ったのに」など愚痴っていました。増してや「トイレの手すりは危ない位置に置かれてしまって、躓きそうで怖い。」とまで仰ってました。
話を聞いていると福祉用具レンタルの方は、利用者さんの意見も話も全く聞かなかったよう。私もその状況を見せてもらいましたが、どう見てもやっぱり明らかに危ない。トイレの手すりは、そのトイレの位置や向きなどに応じて複数の種類の中から選ぶべきだと思うのですが、どうやら福祉用具の方は、部屋の中を見ることなく福祉用具を置いていった(=福祉用具を選定する際に、部屋の状況の確認なし)だったようです。
福祉用具レンタルの業者さんが、利用者さんがけがをしかねない状況になる商品を置いて行くことは、大きな大きな問題かと思います。
介護業者を信頼しつつも 見る目は持つために
私の経験から気づいたのは、介護業界も当然ながら横の繋がりがあります。そして、当然ながら似た者同士の業者さんが手を結んでいます。なので、例えば仕事の出来る素敵なケアマネさんがいたら、そのケアマネさんが連れてきてくれる福祉用具の業者さんも同じく素敵で信用できます。
そのケアマネさんが連れてくれるヘルパーさんも、同じく信用出来ます。というように、信頼できるケアマネさんやケアマネさんの事業所と私たちが繋がることが出来れば、あとは安心していることが出来るのかな、と思っています。
「とんでもないケアマネさんの連れてくる福祉用具の業者さんは、勝手に一言も断りなく家の中の写真を撮って回る。」そういう事だと思います。
介護される側としては わがままは言えませんが、あまりに情報弱者であると介護が苦しくなってきます。もしも介護業者の行動に疑問を持った時には、行政に相談窓口がありますので、相談されてみると解決策が見えてきますし、助けてくれることもあると思います。
対応できずに介護者が苦しんでしまうと、介護される側にとっても苦しくなり、ただでさえ大変な介護生活が もっと厳しい日々になってしまいます。必要な情報と、何が普通の基準なのか?それを知って少しでも穏やかに幸せに介護できる社会になると良いなと願っています。