ご仏壇は家にありますか?
私は父が亡くなった際、母が大きめの仏壇を購入したのですが、その後に母が亡くなってから処分しました。マンションで家族4人住んでいた我が家では、母なき後は私の家には置く場所がない(一人っ子の私以外引き取り手がない)からです。
母が亡くなるまでは、母が仏壇屋さんで選んだ大きな仏壇で、母が大好きだった父を供養できた日々を作ってあげました。最初から手放すことになるのを分かっていたうえで、母の選択を第一に選んだ仏壇でした。
さすがに仏壇を処分する際には、悲しさが残りましたが。調べてみると仏壇が家にないご家庭は、集合住宅では8割を超えるようです。一戸建てを含めても6割のご家庭が仏壇は家に無いようです。また仏壇が家になくても供養する気持ちがあれば、何も変わりはないようです。
仏壇がない場合の供養
ご仏壇が家に無い場合ですが、下記のようなお店で小さなご仏壇を買うか、
ご自宅で香炉・花立て・ローソク立てがあれば良いようです。我が家は曹洞宗ですが、ご本尊と掛け軸、そして夫婦位牌、花立て、おりん、火を使わないお線香とロウソク を 家具の上に置いています。また7階建てのマンションの6階に住んでいますので、仏壇の上には「雲」と書いた紙を貼っています。
その理由は、仏壇が置いてある場所の上に人が住んでいた場合(マンションなどの集合住宅でも、一軒家の1階でも)、仏壇の上を人が立ったり歩いたりすることは仏壇の上に足を向けている事と同じになるためです。上には何もありませんよという意味が込めるため「雲」と書いた紙を貼ることが必要だからです。それは雲切りと呼ばれています。 また、仏壇の隣がトイレだったり、ごみ置き場だったりする場合には、仏壇の裏の壁に「山」と書いた紙を貼る必要があります。
ご仏壇は無くとも、忘れてはならない必要な配慮はしっかりとしながら、小さなスペースでご先祖様に敬意を表していこうと思っています。
お位牌について
またお位牌は、母が亡くなった時に父の位牌を作り替え、母と一緒の「夫婦位牌」にしました。生前、母は父の横暴さに手を焼き、愚痴をよくこぼしていましたが、父が亡くなってからはとても寂しがっていました。なので、二人の死後はせめて一緒のお位牌にしてあげたいと思ったからです。
それに例えば何か自然災害があったとして、大切なものを持って逃げるようなことになった時にも、お位牌を二つ持って逃げるよりも、一つ持って逃げる方が確実に出来そうだと思ったからです。二人の死後は、もう二人を別々にしないであげることが、娘として最後にできる親孝行のつもりでもあります。
仏具を最小限にするという選択
仏壇を置かずに小さなコーナーに変えたのは、もう一つ理由がありました。それはこの先の未来において、私の子供たちへ少しでも負担をかけさせない為の選択でもありました。
そんなこんなで、我が家には仏壇はありません。いまリビングの真ん中に父母を想うコーナーとしてご本尊様などと共にお位牌を置いており、どんな時も今も、私たち娘の家族と一緒に過ごしています。このパソコンを打っている今も、私の後ろで父母は私を見守っています。
大きな仏壇にはない、小さな供養のコーナーだからこそ、一日中一緒に居られる気持ちで父母が亡くなった後の日々を過ごしています。仏壇は無くとも、確かに供養の気持ちは変わらないと思っています。